酒蔵日誌

仕込み(雫搾り編)

皆さんこんにちは。
今回は大吟醸と純米大吟醸の
搾りの工程をご紹介します。

弊社では大吟醸(精米歩合35%)と
純米大吟醸(精米歩合40%)のお酒を
「雫搾り」という特殊な方法で搾っています。

仕込み(雫搾り編)

この「雫搾り」とはお酒の醪を
大吟醸用の酒袋に入れ
タンクに木の棒を3~4本並べ
それぞれの棒にひもで吊るし
袋から滴り落ちてくるお酒を
タンクの口から斗瓶へと移す搾り方です。
タンクは4つほど並べます。

他のお酒と違う酒袋を使うのは
純米酒や本醸造の香りなどが
移らないようにするためです。

仕込み(雫搾り編)

それぞれの道具は丹念に熱湯で洗い
乾燥させてから使います。
搾り終わった酒袋から粕を剥いだ後も
袋を手洗いで一枚一枚丁寧に洗うのも
大変な作業です。
特に冬場は水が冷たく洗っているうちに
段々手の感覚が無くなってきます(泣)

斗瓶には約18リットルのお酒が入ります。
それを大吟醸純米大吟醸それぞれ
各20本ずつ取りすぐにマイナス2度の
冷蔵庫に入れ貯蔵します。
また斗瓶はガラスでできているため
取扱いには細心の注意が必要です。

仕込み(雫搾り編)

これらの作業は朝から搾り始めて
丸一日ほどかかります。
2日間ほど吊るしてタンクに
残っているお酒は一升瓶に詰め
これらも冷蔵庫で貯蔵します。

また搾り終わった後の酒粕は
水分を多く含んでいるので
ひとつのタンクに集めて蒸留し
「粕取り焼酎」を造ります。
粕取り焼酎は焼酎造りと日本酒造りが
盛んな「九州ならでは」のお酒なのです。

今回の「雫搾り」は前回ご紹介した
「槽搾り」と違い圧力をかけず
自然に落ちてくるお酒を集める
といった方法なので手間と時間は
かかりますが「より柔らかくなめらか」で
「きれいな」お酒になるのです。

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