酒蔵日誌

仕込み(槽搾り編)

皆さんこんにちは。
今回は日本酒造りの仕込みから
搾りまでのお仕事内容をご紹介します。

はじめに、第2回までに造られた麹を
用いて「酒母」造りを行います。
「酒母」とは、日本酒のアルコールを
生成させる酵母を、蒸米・麹・水を加えて
大量に培養したものです。
酒母の仕込みから約2週間で完成します。
その間も酵母が最も活動しやすい
温度を保たなければなりません。
そのためタンクにマットを巻いたり、
電球をタンクの下に置いて温めたりといった
作業を毎日温度経過を見ながら行います。

仕込み(槽搾り編)

約2週間後に「醪(もろみ)」造りへと移行します。
ここでは大型のタンクで、酒母に蒸米・麹・水を
3回に分けて加え、発酵させます。
この工程は「三段仕込み」といわれ、
1日目「初添え」、2日目は「踊り」といって
仕込みを休み、3日目「仲添え」、
4日目「留添え」と続きます。
初添えから留添えにかけて
蒸米の量も増えていきます。
留添えの仕込みになると、
蒸米の量もタンク1本の仕込みに対して
200kgを超えてくるので、洗米はもちろん
蒸すのも仕込むのも大変です。
こうして留添えが終わった醪は
20日~30日前後で搾りの工程へと移ります。

当酒造場では大吟醸と純米大吟醸以外のお酒は
「槽搾り」といって、酒袋に醪を入れたものを
積み上げ、上から圧力をかける手法で搾っています。

仕込み(槽搾り編)

ひとつの酒袋に約20Lの醪を入れ、槽の中に袋を
100枚程積み上げていくのですが、この作業は
とても難しく、私も慣れるまでは大変でした。
槽搾りの工程は、1日目に袋を積み、
2日目に均等に搾れるよう、一度袋を積み直し、
3日目に粕を剥ぐといった流れです。

仕込み(槽搾り編)

こうやって搾られた残りの粕、
つまり「酒粕」は蔵開きの粕汁や甘酒に
使われたり、奈良漬に使われたりします。
日本酒造りでは、原料を最後まで無駄にしない
(地球にもやさしく、エコですね)ので
とても感心しました。

仕込み(槽搾り編)

大吟醸や純米大吟醸は「雫搾り」といった
特殊な搾り方をするのですが、
こちらはまた次回ご紹介します。

/蔵男

 

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