酒蔵日誌

仕込み(麹編)

皆さんこんにちは。

今回は日本酒造りの要でもある「麹造り」についてご紹介します。
日本酒では「一、麹(こうじ) 二、酛(もと) 三、造り(つくり)」
と言われているように麹という存在が深くかかわっています。

先月ご紹介した原料処理され蒸した米を「麹室」という
室温と湿度を麹の成長に適した部屋に運び込みます。
ちなみに室の中の室温は35℃くらいあります。
なので冬場でもこの中で作業する際には半袖です。
タオルも欠かせません。

仕込み(麹編)

運び込まれた米は「床」という台に広げられ
32~33℃くらいになるまで冷やされます。

仕込み(麹編)

そのあと「種麹」という麹菌を振り
一昼夜布団にくるんで寝かせます。
翌日の朝「切り返し」という麹をほぐす作業を行います。
この時にも麹の温度を下げないよう細心の
注意を払って素早く作業しなければいけません。
切り返しを行った麹は「麹箱」という専用の箱に移されます。
この麹箱には麹の温度を調節するための
電球と小型のファンが付いています。

その日の午後「仲仕事」と「仕舞仕事」という作業を行います。
ここでは均一な麹を造るため全体をまんべんなく混ぜます。
そしてさらに一昼夜寝かせます。

仕込み(麹編)

そして翌日の朝ようやく麹が出来上がります。
麹を麹室から出す「出麹」という作業です。
室から出された麹は「麹棚」という
棚に分けられて乾燥させます。

仕込み(麹編)

このような様々な段階を経て出来上がった麹は
「酒母仕込み」やその後の「添・仲・留仕込み」に使います。

自分が実際に造りに関わってみて麹造りで
最も難しいと感じたのは麹の温度管理です。
その年の米や種類によって麹の温度経過が違うので
つきっきりで管理しなければなりません。
まさに自分の子供のような感じです。
次第に麹に対して愛着まで湧いてくるんです (笑)

/蔵男

 

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